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佐藤 智徳; 内田 俊介; 塚田 隆; 佐藤 義之*; Mkel, K.*
Proceedings of 13th International Conference on Environmental Degradation of Materials in Nuclear Power Systems (CD-ROM), 13 Pages, 2007/08
高温水中でのステンレス鋼の腐食電位(ECP)は、表面の酸化被膜に影響される。その影響は、被膜の電気抵抗による被膜内での電位勾配の存在と、被膜による酸化種の拡散によるものであると考えられる。本研究では、過酸化水素を含む高温水中でステンレス鋼表面に形成される酸化被膜の電気抵抗を高温水中で直接評価し、その腐食電位への影響を評価した。そのため、高温水中での接触電気抵抗(CER)のその場測定系を構築した。その結果、過酸化水素を含む高温水中で形成された酸化被膜の電気抵抗は酸素を含む高温水中より高くなり、それは被膜中のヘマタイトの存在に起因することを示した。また、被膜の電気抵抗による被膜内電位勾配は小さいことを示した。
内田 俊介; 佐藤 智徳; 塚田 隆; 佐藤 義之*; 和田 陽一*
Proceedings of 13th International Conference on Environmental Degradation of Materials in Nuclear Power Systems (CD-ROM), 15 Pages, 2007/08
実験室系では、実機のような高温水中でのステンレス鋼の腐食を実験的に評価する際には酸素を酸化剤として添加してきたが、実機環境では過酸化水素が存在し、その影響が重要であることが指摘されてきた。そこで、これまで過酸化水素もしくは酸素を含む高温水中でのステンレス鋼の腐食特性に関するその場測定と、浸漬後の多元表面分析を実施した。その結果を比較した結果、以下の点が明らかとなった。(1)過酸化水素を含む高温水中で形成される酸化被膜はヘマタイトリッチで高い電気抵抗を有するが、酸素雰囲気ではマグネタイト主体の酸化被膜が形成される。(2)過酸化水素と酸素を含む高温水中でのステンレス鋼の腐食電位(ECP)応答の差異は表面に形成される被膜の特性と過酸化水素の酸化反応の存在に起因する。(3)過酸化水素は同程度の濃度条件では、酸素より高ECP,低腐食電流条件をもたらす。(4)低い腐食電流密度は応力腐食割れにおける低いき裂進展速度をもたらす。
加治 芳行; 宇賀地 弘和; 塚田 隆; 松井 義典; 近江 正男; 永田 暢秋*; 堂崎 浩二*; 瀧口 英樹*
Proceedings of 13th International Conference on Environmental Degradation of Materials in Nuclear Power Systems (CD-ROM), 12 Pages, 2007/00
照射誘起応力腐食割れ(IASCC)は、軽水炉のステンレス鋼製構造物の高経年化における課題の1つである。中性子照射量110n/mまで予備照射した304系ステンレス鋼のCT試験片を用いて、沸騰水型軽水炉(BWR)模擬環境水質条件で材料試験炉(JMTR)において炉内IASCC進展試験を実施した。SCC進展速度に及ぼす中性子/線照射,応力,水環境の同時作用効果について検討するために、同じ腐食電位条件下で種々の溶存酸素濃度あるいは過酸化水素添加環境での照射後試験(PIE)を実施した。本論文では、炉内SCC進展試験結果をIASCCに及ぼす同時作用効果の観点からPIEの結果と比較検討した。その結果、SCC進展速度に及ぼす照射の同時作用効果は、腐食電位(ECP)条件がほぼ同等の照射下試験データとDO=32ppm条件での照射後試験データがほぼ一致することから、これまでに取得されたデータの範囲内ではほとんどないことがわかった。
茶谷 一宏*; 高倉 賢一*; 安藤 昌美*; 仲田 清智*; 田中 重彰*; 石山 嘉英*; 菱田 護*; 加治 芳行
Proceedings of 13th International Conference on Environmental Degradation of Materials in Nuclear Power Systems (CD-ROM), 9 Pages, 2007/00
中性子照射したコンパクトテンション試験片を用いたき裂進展速度試験を実施した。0.516から1.0710n/m(E1MeV)まで照射した316L及び304L母材と0.523から0.54110n/m(E1MeV)まで照射した316L及び308L溶接金属のき裂進展速度試験を288C,定荷重,低応力拡大係数及び電気化学腐食電位条件で直流電位差法を用いて実施した。母材のき裂進展速度は、中性子照射量が増加するにしたがって増加した。母材及び溶接金属のき裂進展速度は、電気化学腐食電位レベルが減少するにしたがって明らかに減少した。
安藤 昌視*; 仲田 清智*; 伊藤 幹朗*; 田中 徳彦*; 越石 正人*; 小畠 亮司*; 三輪 幸夫; 加治 芳行; 早川 正夫*
Proceedings of 13th International Conference on Environmental Degradation of Materials in Nuclear Power Systems (CD-ROM), 16 Pages, 2007/00
実機PLR配管を模擬した溶接継ぎ手から作製したSUS316NG鋼の試験片を用いて、BWR環境を模擬した水中で長期間の応力腐食割れ進展試験を行った。試験片は溶接部過程での熱収縮により硬化した熱影響部から作製し、そのような部位での傷の進展挙動を評価するための応力腐食割れ進展速度線図を得ることを目的とした。鍛造管材と引き抜き管材の溶接継ぎ部が、幾つかの溶接方法で作成した。得られた応力腐食割れ進展速度は、溶体化熱処理材から得られた進展速度よりも速くなった。硬化したSUS316NGのき裂進展速度は、材料や溶接方法によらず、硬さと関連性を持っていた。硬さが210から250Hvの範囲では、き裂進展速度は硬さの増加とともに大きくなった。低炭素ステンレス鋼の硬化した熱影響部で応力腐食割れ進展速度が加速される機構は、き裂先端のひずみ分布及びAFM画像に基づいて推定された。き裂先端での塑性ひずみ勾配と粒界に沿った局所的ひずみの相互作用が重要であると予想された。
近藤 啓悦; 三輪 幸夫; 大久保 成彰; 加治 芳行; 塚田 隆
Proceedings of 13th International Conference on Environmental Degradation of Materials in Nuclear Power Systems (CD-ROM), 11 Pages, 2007/00
炉内構造材料であるSUS316Lを用いて、照射と残留応力の複合作用が材料の腐食特性に及ぼす影響について検討した。曲げ変形拘束によって表面に引張残留応力を負荷された試験片と変形拘束なしの試験片に対して、温度330Cで145dpaまでイオン照射実験を実施した。照射試料に対して電気化学的再活性化法による腐食試験を実施した結果、変形拘束下で照射された試験片の耐食性劣化が抑制されていることが明らかとなった。また、照射材について3次元アトムプローブ分析を実施した結果、転位周辺にNi, Siが富化しCr, Feが枯渇していることが確認され、また偏析の程度は変形拘束なしの試験片において大きいことが明らかとなった。これらのことから照射中の残留応力は、転位などの照射欠陥シンク近傍の溶質元素の照射誘起偏析挙動とその結果誘引される腐食特性変化に影響を及ぼしていることが示唆された。
三輪 幸夫; 加治 芳行; 塚田 隆; 加藤 佳明; 冨田 健; 永田 暢秋*; 堂崎 浩二*; 瀧口 英樹*
Proceedings of 13th International Conference on Environmental Degradation of Materials in Nuclear Power Systems (CD-ROM), 14 Pages, 2007/00
照射誘起応力腐食割れ(IASCC)の進展挙動との関係を検討するため、IASCCのき裂進展部の粒界性格分布を、方位像顕微鏡を用いて測定した。測定は、JMTR炉内照射下き裂進展試験及び照射後き裂進展試験によりき裂を進展させた試験片について実施した。その結果、IASCCき裂はおもにランダム粒界を進展したが、小傾角粒界(1),双晶粒界(3)及び対応粒界(5-27)でもき裂が進展していた。すなわち、小傾角及び双晶粒界では元素偏析による粒界の耐食性劣化が小さいことが知られているが、そのような粒界でもSCCき裂が進展することがわかった。IASCCが進展したき裂の粒界性格分布を、著者のこれまでの研究結果である熱鋭敏化SUS304鋼,低炭素ステンレス鋼再循環系配管溶接継ぎ手模擬材及び実機シュラウド材の各材料における粒界型応力腐食割れ(IGSCC)のき裂進展部の粒界性格分布と比較した。その結果、IASCCとIGSCCにおいてき裂が進展する粒界性格の割合が異なり、その割合は照射材の変形挙動と関連のある可能性が考えられた。
長島 伸夫*; 早川 正夫*; 塚田 隆; 加治 芳行; 三輪 幸夫; 安藤 昌美*; 仲田 清智*
Proceedings of 13th International Conference on Environmental Degradation of Materials in Nuclear Power Systems (CD-ROM), 15 Pages, 2007/00
日本の沸騰水型軽水炉プラントにおいて低炭素ステンレス鋼製の炉心シュラウドや再循環系配管において応力腐食割れが見つかっている。ここでは、粒界型応力腐食割れが溶接金属周辺の硬化した熱影響部を伝播していた。硬化した熱影響部を模擬するために室温で10%及び30%冷間加工した低炭素オーステナイトステンレス鋼316Lの強化挙動及び局所的な塑性変形をミクロ硬さ試験装置により測定するとともに、原子間力顕微鏡を用いて観察した。き裂先端の塑性域を模擬するために、降伏点(0.2%塑性ひずみ)までの引張変形を付与した。本研究の結果、316Lの粒界型応力腐食割れ進展メカニズムの1つは、粒界強化挙動と粒界近傍の局所的な塑性変形と関係していることがわかった。